どうも大変間が開いてしまいましたが皆様いかがお過ごしでしょうか。
当店のリキシャライフも軽快に山と谷を乗りこなしております。
今回は谷その１
納車されまだ日も浅い６月頃（たった2ヶ月！）、順調にドライブをエンジョイしていると、ハンドルに違和感を覚えるようになってきていた。
走っているとガランガランといった音と共にハンドル軸に何か当たる感触。
最初はなにかのワイヤーかコードが当たってるんかな〜、と気に留めなかったのですが、１周間、２週間経つにつれ、次第に音は大きくなっていく次第。
外から見てもちょっと内側のぞいても、何かが当たるとか不安定なものはなにもない、ただ無性にガランガランが気持ち悪い、いよいよこれアレか、早くも故障の洗礼か、、と焦りだす。
さて、どうしよう。
自分で治せるはずもなく、故障といえどもそもそも原因すらわからない。
ディーラーさんならある程度修理できるのですが、電話の口頭で伝えてもちょっとわかりませんね〜の返答、まあ仕方がない。
いよいよ、行くか、あそこに。
来ました、「スバル中川モーター」さん。
普段はクルマの方の車検でお世話になっている街の整備工場さん。
注目はその社長。
タイヤのつくものなら新旧色物問わず何でも直してしまうという洲本のベヒクル版ブラックジャックな噂を兼ねてから聞いておりまして、一も二もなく駆け込んだ次第です。
赤い三輪車をひと目見た社長。
白髪で小柄、だが御年70後半（噂）とは思えないしっかりした体幹と目をお持ちな印象。
…
何これ？おもろいな〜等の小並感な感想はなく、
二言目には淡々と症状を聞き出す。
ハンドルやな？異音する、ほうか〜。
何か当たってるみたいな音？
ゆっさゆっさ（車体揺する音）
ふ〜ん。
これブレーキか、前、後ろな。
これクラッチ、シフト、あーカブといっしょな。
これギア？バックやな。
ちょっと乗らしてな。
ぶいーん。
…
刹那小生を残し、颯爽と公道に消えていく社長。
…
５分後
あ、帰ってきた。
どうでした？
恐る恐る聞くワタシ。
これはあれやね、ハンドルの組付けが悪ぅて中のベアリングが傷んどるわ。
大丈夫、一度分解してちゃんと組み直したら高い部品なくても直るよ。
ゴッド！
イズ、ヒア！
今立て混んでるからな、来週の頭にまた持ってきてな。
異国から届いた得体の知れない乗り物を抱え、得体のしれないエラーに遭遇し、藁をも掴みたいワタシにとって、静かな、でも芯のあるその声は神の御声以外の何者でもなかったのです。
…
月曜日。
前のめり気味に始業早々に持っていく。
大方午前中で終わると思うから、また昼過ぎに取りに来てや〜というゴッド。
そんな早いんですか！
ほんじゃまた後で来ますねと意気揚々去っていくワタシ。
…
月曜日午後15時
お世話になります〜、どうでしょうか…？
まだまだ診察台あるいはオペ台から動きそうにはない我が赤き三輪車。
聞けば治すところ、調整するところが思ったより多く、まだ時間かかるそう。
ある程度想像はしていたが、日本ほど高度な技術もない異国で作られたメカは（雑すぎて）BJの手にも少し余るという。
これで全てがクリアになるならむしろ本望！と、その日は帰って再度出直すことに。
…
次の日。
社長曰く。
治ったよ、やっぱりこれ組み立てた技術者の力不足かいい加減かやろね、ハンドルの破損部品取り替えて、全部油差しといたから。
あと、サイドブレーキな〜、構造的にこれはアカン、この角度やとまずいわ。
ブレーキ効かへんと知らんまに後ろ転がって崖から落ちるからな、補修しといたよ。
！？
ブレーキ台座が補助的に溶接され、きれいに動作する角度になっていました。
リキシャを崖そばに止める日がくるかはともかく、サイドブレーキの効きが悪かったのは購入当初から事実。
ディーラーさんもこのサイドはま〜気休めですね〜と言ってた代物。
ウロコ！
フロム、マイアイズ！
求められた以上の仕事をさらっとやってのける。
しかも自分の経験から来るであろうユーザの安全へ対する配慮。
さらには、引き取って出発する間際まで車体細部を細かく調整してくれてはりました。
ただ修理に出して治ってよかった、という域を軽く超えてくる「いい仕事」のあるべき姿を垣間見て、少し背筋をのばした出来事でした。
皆さん、車検はスバル中川モーターです！
…
ほんとに足回りが軽くなり、ハンドルもガッチリと運転を包んでくれるようになりました。
以前と違い、サイドブレーキも引けばキュッと止まる。
そして今までブラックボックスだった足回りを一通り目を通してもらった安心感によって気分も軽い。
♪♫♪♪♫♪鼻歌ボリューム3割増しで走るワタクシ。
そして次の忍び寄る谷場。
