淡路島の沿岸をめでるこのコーナー。
第8回は洲本市由良の、とある超穴場スポットを取り上げたい。
ところで第4回投稿「ジュゴンブロックを見に行く」で書いたとおり、私は消波ブロックが好きだ。
とくにテトラポッドを偏愛している。
釣り人を尻目に、テトラポッド目当てで防波堤を歩く。
変わり者とそしられるのもムベナルカナ、といったところ。
その “テトラ狂い” まこしの目に止まったのが、洲本市由良の交差点近くにあるテトラポッドだった。
まずは下の写真をご覧あれ。
一見、なんの変哲もない地元の海辺の風景だ。
だが奥のテトラポッドと手前のそれの大きさの違いに注目してほしい。
明らかに手前のテトラのほうが小さいのがわかる。
…ちなみに、奥のテトラは『整積』といって規則的に並べられているのに対し、手前のテトラは一見無造作に積まれているように見えるが、これは『乱積』といい、れっきとしたテトラの配置方法で小生はこの『乱積』がとても好きだ。下の方で重みに耐えて苦しそうなヤツ、上の方でふんぞり返ってるヤツ…同じ形をしたテトラの1つ1つがそれぞれ個性を放って見え、その様子はまるで愛おしい生き物のよう……
閑話休題。今回注目してほしいポイントは積み方ではない。
そのサイズ感だ。
近寄ってみよう。
うまい具合に岸の一部がテトラ群までつづいている。
さらに近寄って、先端の円の直径をメジャーで測ってみることに。
ふむふむ。
波に削られ角がとれててわかりにくいが、だいたい24〜25cmほど。
なるほど〜。そっかそっかぁ。
波打ち際でひとり頷く小生。
どうみても変な人である。
実はこのデータから、テトラの重さがわかる。
このテトラ1つの重量は、おそらく1トンである。
というのも、実は小生、こんな素敵な小冊子を持っているのだ。ジャーン。
株式会社不動テトラの『FUDO TETRA DATA BOOK 主要製品一覧』。
どういう経緯でこの冊子を入手できたのかは、また別の機会に書くとして、冊子を持っていなくても、不動テトラの公式ウェブサイトにて諸元表のPDFが公開されているので、ご興味のある方はぜひそちらで詳しく見ていただきたい。
1トン型はちょっと他で見られない小型テトラだ。
これより小さいサイズ(0.5トン型)も諸元表にはあるが、小生はまだ見たことがない。
ちなみにこのテトラはずいぶん古いものと思われる。
骨材の小石が露出しているし、先端に金具が付いている。
こういうところもテトラの見どころなのだが、それについても詳しくはまた別の機会に…
それにしても、はふう。
テトラに取り込まれている小石の、なんと魅力的なことか。
消波ブロックは大量に作る上に重量も相当なものなので、資材は現地調達が基本だと聞いた。
この骨材たちはおそらく何十年か前までは島内のどこかの砂浜で波に洗われていた小石ちゃんたちなのである。
ううむ。テトラの魅力は語って尽きることがない。
またこのコーナーで折りに触れ紹介したい。
……さぁ、次はどこの沿岸を歩こうか……。