2020.08.19

ダムカード、ゲットだぜ! その1 〜成相・北富士ダム〜

淡路島沿岸愛好会

淡路島の沿岸をめでるこのコーナー。

今回から都合3回に渡り、夏の特別企画として「ダムカード、ゲットだぜ!」と題して、淡路島の5つのダムを取り上げたいと思う。
が、その前に、まずは
「『淡路島沿岸愛好会』なのになんでダム!?」
という無用な混乱を避けるため、短い注釈を1つ。

「沿岸」という言葉の意味を調べると、こうある。

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沿岸(えんがん):
1. 海・川・湖に沿った岸。
2. 海・川・湖の陸地に近い部分。

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ということは、ダムも立派な「沿岸」ということになる。
これで憂いなくこのコーナーでダムを紹介できるというものである。
うむうむ。

ところでさて、「ダムカード」。
国土交通省などが管理するダムで配布されているカード形式の発行物だ。
現在、全国で600以上の公式ダムカードが存在するという。淡路島には5枚の公式ダムカードがある。
北富士・成相・諭鶴羽・大日・牛内の各ダムである。
今回はお盆休みを利用してその5つのダムを巡った。
(カードを貰える管理事務所は平日ならお盆でも開いている)

〜まずは一路、成相ダムへ〜

 

洲本より国道28号を南下、立石の交差点を左折し、山間へ。
付近に近づくと、道案内の看板や周辺案内図が目に入る。


周辺案内図を見る。
成相ダムと北富士ダムは尾根1つ隔ててすぐそばにあった。
しかも、「連絡水路トンネル」というものでつながっているようだ。
いやが上にも期待が高まる。


こちらが成相ダム。
重力式コンクリートダム。
堤の高さは61mで、前述した5つのダムの中で1番高い。
総貯水容量も405万㎡と、数値上は他を圧倒する。
(他の4つは110〜220万㎡)
ダム本体のサイズはかなりボリュームがあるが、堤頂部に積極的に曲線ラインの意匠が取り入れられていて、親しみが持てる印象だ。

貯水の様子。
小生は、この風景がすこぶる好きだ。
水面を分ける浮沈フェンスのあの優美なカーブ。
左右に迫る山並み。
その足元を這うように奥へ続いていく碧色の水面と管理用道路。
この景色は人の手によって結果的に作り出されたものだけど、それでもあえて「風光明媚」と表現したくなる。巨大な人工物さえ悠々と取り込んで平然と美しい。さすが自然は懐が深い。


天頂の通路にはタイルが貼られて、石造りのベンチまで置かれている。
ベンチの横にけなげに顔を出すテッポウユリ。
こんな真夏じゃなければ、さぞゆっくり寛げただろう。


洪水吐をのぞきこむ。
高所恐怖症の方は肝を冷やすかもしれない。


ちなみに、成相ダム上流には、昭和のはじめに作られた石造りの堰堤が今も遺されている。
こちらも小生の大好物なのだが、今回はこの写真でその姿を紹介するにとどめておく。

〜成相ダムをあとにし、北富士ダムへ〜

 

さきほどの案内図でも見たとおり、次の目的地はすぐ近くだ。


成相ダムと北富士ダムの分岐路に、素敵な露頭があった。
車を停めて思わずパシャリ。

それにしても、今日は暑い。
ちょっと車外に出ただけで汗がにじみ出てくる。
あわてて車中へと駆け戻る。

成相ダムから 車で走ること5分程度で到着。
北富士ダムだ。
成相ダムと同じく重力式コンクリートダムで、
総貯水容量は130万㎡。

このダムには、今回はじめて訪れた。
成相ダムのあとだからか、はじめ無骨な印象を受けた。


だけど、天端通路の手すりの造形を見て、印象が変わった。
なんだ、このカーブは!
むふふと頬をゆるめてしまう。
手すりにこの謎の高低差、いる!?


そう思ってダムの下を見てみると、放流ゲートらしき白い建物の屋根の形も気になってくる。
あんな形にする合理的な理由があるようにはちょっと思えない。

これは絶対、あそんでる。
楽しんでデザインしているにちがいない。
仏頂面のようにみえて、仲良くなると人懐こい笑顔を見せてくれる友人タイプだ。

成相ダムと「2ダム1事業」というタッグを組むバディとしてふさわしい、男気と愛嬌の両面を兼ね備えたダムであった。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

ということで、今回は成相ダムと北富士ダムをめぐった。
次回は諭鶴羽ダムと、ちょっと寄り道して宮が谷池を紹介する。

最後に、成相ダムを下から見たショット。
かっこいいなぁ。

「ダムカード、ゲットだぜ! その2」へつづく〜

まこし

この記事を書いた人

まこし

ダンの紙面デザイン担当。趣味は路上観察と沿岸観察。小さなことに喜びを見いだしつつ、地味に日常を過ごしております。


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