淡路島で暮らしていると、いつもそばに山があり、
木があります。それはきっと自然が豊かだからこそ。
都会ではなかなか見ることができない光景です。
木に触れると、なんだかあたたかい気持ちになる
気がしませんか?
今回は木についてもっと知るために、淡路島の山の木を活かしたいと日々活動されている
「JINO」のみなさんにお話を伺いました。
淡路島の林業のこと
現在、島の林業は時代の変化とともに少なくなっていると教えてもらいました。
淡路島産の木材があまりなく、島外から仕入れることも。
せっかく淡路島にはたくさんの山や木があるのに、
なんだかもったいなぁと感じることが増えていったそうです。
島の山ってどんな山?
島にはたくさんの種類の木が生えています。
どちらかといえば広葉樹が多く、そのため淡路島の山は低くて、もこもこしているんだそう。
広葉樹が多い理由は2つ。
ひとつは薪などに使われることが少なくなったこと。もうひとつは、実をつけて広がる性質を持っていること。
伐採することが少なくなったので、その分繁殖しやすくなり、広葉樹が増えていったそうです。
「もこもこしているのがとてもかわいいんですよ。」と教えてもらい、
そんな視点で今まで山を見ていなかったなぁととても新鮮な感情を覚えました。
JINOについて
異なる職種や業種の6名が、「島の木を活かしたい」という想いでつながり、「JINO」は生まれました。
いまは主に木を活かす活動をしていますが、「JINO」=「地元の」という名前のとおり、
地元のものを活かしていくために、モノや素材にこだわらず活動していきたいです。と話してくれました。
木を切ってほしい、この木で小物をつくりたいなど、何か活用したい!と思った方はお気軽にご連絡ください。
お問合せはHIRAMATSUGUMIまで(0799-25-8315)
Instagram:@jino_awajishima_
来春、第2回JINO展イベントも企画中だそうです!
メンバーのみなさん
北島 庸行さん(後列左)
木工家/atelier KIKA
家具内装デザインを学んだ後、木工家へ。島の木は色が綺麗、ツヤがある、香りがいい、小さな木でも曲がっていても、どの木も個性的でおもしろいと感じている。
平松 克啓さん(後列中央)
一級建築士/HIRAMATSUGUMI代表
自分たちで家づくりを行っていた昔の時代のようにできるだけ島の素材をつかった家づくりをしたいと考え、「淡路島の家プロジェクト」をスタート。
新庄 道さん(後列右)
山師・材木屋/Hikobae Works代表
淡路島で炭づくりを目指して林業の道へ。山を、木を活用したいという想いを持ち、人と人とのつながりを大切にしたいと考えている。
南野 佳英さん(前列左)
美術家
活動の中で淡路島の木に魅力を感じ、「あの木が、この商品になったんだ!」と木を身近に感じてもらえるような作品づくりを心がけている。
松本 恵里奈さん(前列中央)
トイフラワー号代表/おもちゃコンサルタント
旦那さんのUターンをきっかけに、淡路島へ移住。子どもを育てている中で、淡路島の木でおもちゃをつくってみたいという想いを持ち始める。
山本 梓さん(前列右)
HIRAMATSUGUMIスタッフ
JINOの広報や企画展のリーフレット作りを担当。島の暮らしを提案するrecomincaでは、魅力的な人たちの取材を行っている。
JINOの取り組みや商品を教えてもらいました ※全て税込価格
淡路島の家
淡路島の素材をつかい、自分たちの手で家を建てていく「淡路島の家」。
“淡路島の家ができるまで”というHPではその過程の様子を綴っています。
椎の木皿
淡路島の椎から生まれた木の器。ひとつひとつ違う木の表情が楽しめます。
(18cm)¥4,620 (20cm)¥5,280 (22cm)¥5,940
KUMINO – クミノ‐
檜でつくられた、建築における伝統工法「木組み」をつかった積み木。
組み合わせることで様々な造形をつくることができます。 ¥5,500
淡路島えんぴつ
「淡路島の家」製作時にできる、檜の端材でつくったえんぴつ。
手ざわりがやわらかく、ほのかな檜の香りも感じられます。
(5本入)¥825〜、名入れサービスあり。※別途料金要
島の木が商品になるまで
1.伐採
枝の張り具合や木々の密集具合により伐採する順番を決め、倒したい方向の先にある妨げになりそうな木の伐採から始めていきます。
2.搬出
重機を木の積み込みができる場所へ停めるために、周りにある木々などを撤去していきます。
その作業と平行して、この後の作業の製材が行いやすいように枝を根元で落としておきます。その後、重機をつかって積み込みをしていきます。
3.製材
伐採した木を角材や板材に加工していきます。木のかたちやクセを見極めながら、一本ずつ丁寧に行っていきます。
4.乾燥
木材は時間をかけて乾燥させます。屋外に板を桟積みして、自然と水分が抜けるのを待ちます。
5.乾燥が終わったら・・・
乾燥された木材はそれぞれの職人さんや作家さんの手によって、さまざまな商品に生まれ変わります。
製材で出た木のおがくずは畑へ。自然のサイクルにそって、元にあるべき場所へ還します。
↑えんぴつになる前の板を見せてもらいました。
この板3,000枚で、およそ10,000本の淡路島えんぴつができるそうです。乾燥期間はなんと2〜3年!
今回特別に、「淡路島の地元情報誌ダン」という文字が入ったオリジナルの淡路島えんぴつをつくってもらいました!
抽選で3名様にプレゼント。応募は今月の読者PRESENT係まで。(応募は2021.10/15(金)まで)
今回紹介した商品が購入できる場所
HIRAMATSUGUMI
山の中にひっそりと佇む設計事務所兼ギャラリー&カフェ。淡路島えんぴつは南あわじ市の〔そらみどう〕や〔うずしおクルーズ売店〕でも購入可能。
洲本市中川原町中川原555
Tel.0799-25-8315
ギャラリー 11:00 – 17:00
カフェ 11:30 – 17:00(openは金・土・月曜日のみ)
店休日:木・日曜日+不定休
atelier KIKA
まるで森の中にいるような、緑いっぱいの制作工房&ギャラリー。イスやテーブルなどの作品が並べられている。
洲本市五色町鮎原小山田867
https://www.kitajimanobuyuki.com/
※制作のご相談などは、来店前にご連絡をお願いします
森を歩こう
メンバー南野さん主催の森を歩くイベント。毎月第4日曜・月曜に開催している。
集合場所は草地家(南あわじ市倭文)。 詳しくはInstagram:@jino_awajishima_まで
編集後記
取材後、わたしが感じたのは、みなさんの木に対する想いでした。
ふだんのお仕事はみなさんそれぞれ違うのですが、根底にある「木の想いを大切にすること」が同じで、
とてもカッコイイなぁと思いました。
以前から淡路島えんぴつを愛用していたのですが、より一層大切にしたくなりましたし、
微力ながらみなさんの活動を応援したくなりました。
ダン読者のみなさんにとっても淡路島の木について、何か考えるきっかけになればうれしいです。
<取材/文・チル子>