料理に少し加えるだけで味や香りに膨らみをもたせてくれるスパイス。
春・夏・秋・冬それぞれの季節にとりいれたいスパイスを使ったレシピを紹介します。
今回紹介するスパイスは
『月桂葉(ローリエ)』

古代ギリシャ時代から栽培されていたとされる月桂樹の葉を乾燥させたスパイスで、シチューやポトフなどの煮込み料理、マリネなどに使います。生でも使用でき、庭がある方は簡単に育つので植えるのもおすすめです。爽やかな香りをもつローリエは鉄分やビタミン類も豊富で、髪・肌・目によいとされるビタミンA、B6、K、Cが含まれています。その他ミネラル、タンニン、カルシウム、カリウムなど有用な栄養素を含みますが、妊婦さんや乳児の多量摂取は控えてください。料理だけでなくローリエを煮込んだ煮汁をお風呂に加え、ハーバルバスを愉しむのもよいでしょう。血行促進、疲労回復などが期待できます。
ガルビュール

ガルビュールとはフランス南西部、スペインとの国境付近の地域で定番のキャベツと豆を主とした野菜スープ。語源はスペイン語の煮込み料理を意味する「ガルビアス(garbias)」からきています。このスープは家庭によって様々ですが、共通することは“スープが透き通っていること”“野菜がメインで具沢山であること”です。出汁は、生ハムや鴨のコンフィの脂からとる事が一般的ですが、今回のレシピではパンチェッタを使用します。(ウインナーやベーコンなどでも代用OK)
材料(3~4人前)
白いんげん 50g(冷凍ビーンズを使用)
キャベツ※今回は芽キャベツを使用 1/4個※10個
人参 70g
マッシュルーム 8個
セロリ 50g
玉ねぎ 1/2個
固形ブイヨン 1個
水 600ml
オリーブオイル 適量(炒め用)
塩・胡椒 いい塩梅
【パンチェッタ】
豚バラブロック 200g
塩 適量
【ブーケガルニ】
ローリエ 1枚
セロリの葉 適量
パセリの葉 適量
※あればタイムも適量
作り方

1.豚バラブロックは前日に少し多めの塩をまぶし寝かせておいたものをさっと水で洗い、水気を取り、一口大に切ります。(豚バラの塩漬けをパンチェッタといいます)
キャベツや人参などの食材も全て1.7mm程度の角切りにします。
※写真は分量以外の食材も含まれます。みなさんもお好みの春野菜をたっぷり入れてください。

2.鍋にオリーブオイルを加え、弱火で豚バラを炒めます。

3.2に野菜を加え炒めます。

4.ブーケガルニ、ブイヨン、水を加え野菜がしんなりするまで煮込みます。

ローリエは葉を折って加えることでより風味や栄養がより増します。

5.ビーンズを加え、塩・胡椒で味を調えたら完成。

香辛料の花束『ブーケガルニ』
今回使用したローリエは、セロリの葉とパセリの茎で束ねた『ブーケガルニ』として使用しています。(通常はタコ糸で縛ったり、布袋に包みます)ブーケガルニとは、ハーブや香味野菜を束ねたもので、洋風の煮込み料理に使う香辛料のことをいいます。語源は、フランス語の「ブーケ(花束)」と「ガルニ(飾り付け)」を組み合わせた言葉で、ハーブの束で料理を引き立てる(飾る)ことを示しているといわれています。一般的に、ローリエ、セロリ、タイム、パセリなどがよく使われますが、決まった組み合わせはなく、地域や料理、作る方の好みなどによって様々です。見た目に華やかなブーケガルニ、ぜひ他のレシピでもご活用ください。
春に摂取したいセロリ

春は寒暖差や気圧変動の大きい季節となるため、中医学では『肝』の季節とされており気滞(きたい)になりやすいと言われています。気滞とは、気の巡りが滞る状態を示し自律神経のコントロールが乱れやすく、イライラ、むくみ、頭痛、高血圧などの症状がでるとされています。気の滞りを改善する食材として、セロリ、春菊、三つ葉などの香り野菜がよいとされています。中でもセロリは、高ぶった肝の働きを抑え余分な熱をとり、利尿作用をもたらすとされ、体に溜まった余分な熱や水分を取り除く効果が期待できます。葉も高血圧予防に良いとされているので、ぜひ取り入れましょう。
今回の記事の監修・レシピ提供

Kunまま
16歳から料理を学ぶ中で、自身が添加物アレルギーを持っていたことから国際中医師・国際中医薬膳管理師など食に関する様々な資格を取得。現在、東洋医学講座や薬膳資格講座などの講師をしながら“食のたいせつさ”を伝える活動を行っています。
【撮影・文 ペコ子】