2021.02.24

妄想005:オシカツpt1_キルミーナウ!編

妄想恋愛研究所

美しさと若さは罪だ。

 

どちらも持ち合わせてないから

そうはっきりわかるのかもしれない。

 

当事者は、それがわかっているようで

わからない。

 

1人の青年に恋をした。

 

彼は、私がこれまでなじみのないコミュニティで

アイドル的存在。

 

10代半ばで注目され、

わずか20代前半で

グローバルなインフルエンサーとなる。

 

SNSやネットを駆使した戦略により、

ティーンの幼くて可愛い彼から

オバサンを震え上がらすほど

現在のセクシーな彼までを

追い続けることができる。

 

最初は、小鹿のような細身で

笑ったり泣いたり自分の感情を

ダイレクトに表現していた彼だが

ここ1年ぐらいで大人の体つきになり

表現力も格段スキルアップした。

 

魅了されている。

好きだ、アイシテル。

気持ち悪がられてもいい

狂おしいほどだ。

 

ただ、写真や動画を何度も見ていると、

今の彼にとてつもない

憂いを感じるようになった。

 

息の詰まるようなこの感じはいったい?

 

彼が明日自滅してしまうのではないかという

危うさを感じ

最初は、「推し」を見つけ

幸せでいっぱいだった自分が

今は彼を失うかもしれない恐怖の中

過ごしている。

 

増え続けるピアスとタトゥー

常軌を逸脱する異常な行動

狂気と哀しみが潜む眼差し・・・

すべてを手にしているのに

何も手に入れていないような寂しい佇まい・・・

 

すべては私の

思い過ごしだろうか。

彼の将来を心配し

一言もかわしたこともないにもかかわらず

部屋の片隅で号泣できる私も

異常者かもしれない。

 

彼のようなパーフェクトな人(私にとって)と

もし何かのきっかけで

知り合うことができて

刹那の恋に落ちることができたら…

 

一瞬にして

源氏物語の六条の御息所を思い出し、

当時はわからなかった

御息所の気持ちが痛いほど

わかってきた。

いずれは必ず私の元から去る

美しい青年よ、

あなたを見てしまったところから

この恋は私の負け。

 

だから、私は一生

あなたに会わない。

私の知らない世界で、

イカレポンチのミーハー女とでも

幸せになって、私をうんざりさせてください。

———–

今回も、妄想がすぎました。

アデュー。

ニッチモ・サチ江

この記事を書いた人

ニッチモ・サチ江

淡路島出身、神戸在住。妄想恋愛研究家。 「春が来ようと夏が来ようと、イブ・モンタンの「枯れ葉」が脳内に流れております。誰か、助けて!」


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